【光る君へ】待ちに待った平安大河。ハマる人はハマる?その魅力とは

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大河ドラマにしては珍しい”平安時代”を舞台にした「光る君へ」。

平安時代中期、日本最高峰の古典文学と言われる「源氏物語」を執筆した、

「紫式部」が主人公のドラマです。

平安時代というと、今まで大河ドラマで扱ったことがあまり無いですよね。

もしかしたら、今まで取り上げられることの少なかった平安時代、しかも貴族が実権を握っていた中期が舞台ということで、興味が湧かないという方もいるかもしれません。

しかしSNSなどのネット上では、好意的な反応が結構見られます。

実際、私自身も人生で初めて”大河沼”にハマっております。笑

というのも私、元々平安時代に興味があって、平安時代が舞台の大河ドラマを心待ちにしていたんです。

2024年度の大河ドラマが

「紫式部」が主役だと知ったときには、うおおおおお!!!と歓喜しました。

実は私、自宅にテレビがあるのに全く活用してなかったのですが、

「光る君へ」だけは絶対に見ようと心に決めまして、このためにNHKの契約もしました。

そんなわけで並々ならぬ熱を持って見始めた「光る君へ」ですが、ストーリー、キャラクターともに魅力たっぷり、すっかり虜になってしまいました。

今回の大河ドラマ、「ハマる人はハマる」と言われているみたいなんです。

何もかも異例の”平安大河”

私が思うその魅力を、力説していきます。

まさか大河ドラマでラブストーリーにハマるとは。

大河らしからぬラブストーリー

平安時代の中期を映像で見る機会は、今まであまり無かったため、その世界観を味わえるだけでも嬉しいのですが、

何よりストーリーがいいんですね!

まず、「光る君へ」では大河ドラマにしては珍しく

”ラブストーリー”

メインで展開されております。

それも主人公のまひろ(後の紫式部)と藤原道長が恋に落ちるという、衝撃的な展開。

紫式部は後に道長の娘に仕えることになるのは知っていましたが、ふたりの恋愛というのは想像がつきませんでした。

ですがこのラブストーリー、道長とまひろの関係が絶妙で目が離せないんです。

ふたりはソウルメイト

まひろは下級貴族の家の娘ですが、道長の家は藤原氏の中でも名門中の名門。

同じ貴族ではありますが、絶対的な身分の差があります。

ですが、結ばれることが無いと分かっていても、ふたりは惹かれ合わずにはいられません。

学者である父の影響で、幼いころから漢籍を読みこなしていたほどの才女であるまひろ。

賢くて他の令嬢たちとはどこか違う雰囲気を持っています。

道長は、ぼーっとしているようで周りが良く見えている人物ですが、父親や兄たちのように権力争いに興味を持っていません。

そして、ふたりは貴族でありながらも、庶民の芸能である散楽に興味を持っていました。

「光る君へ」においてまひろと道長は、どこか当時の貴族社会に溶け込めずにいるところがあります。

周りに何となく疎外感を持っているふたりは、急速に惹かれ合いました。

親しかった散楽メンバーの直秀の死により、まひろと道長の関係性は、さらに深まっていきます。

「自分のせいで直秀たちが殺された」と深く後悔する道長と、ただただ悲しみに暮れるまひろ。

ふたりが素手で土を掘って、散楽メンバーたちを弔うシーンは、残酷すぎて辛くなりました。

こうして悲しい経験を共にしたふたりの間には、強い絆が生まれていくのです。

”妾”の苦しみ。物語の伝え方が上手い。

ですが、下級貴族であるまひろは、道長の正妻となることがかないません。

ついには、まひろは道長との別れを選びます。

ここに、平安時代の女性の苦しみが表されていて胸に迫るものがありました。

当時の貴族は正妻になれば夫と一緒に暮らすことができましたが、内縁の妻である”妾”は夫の訪れを待つしかありませんでした。

たとえ自分が一番だと言われても、いずれ道長は位の高い正妻を迎え、一緒に暮らすようになるでしょう。

好きな人が他の女性と暮らしているのを見ながら、自分は来てくれるのを待つことしかできないなんて、辛すぎて耐えられないだろうなと思います。

道長のことを心から愛していたまひろにとって、妾になることは辛い選択でした。

私は今まで、平安貴族の結婚については「通い婚」だったということしか知らなかったため、貴族の女性にとって、結婚に身分がこれほど重要だったとは思いませんでした。

平安の貴族女性の苦悩の伝え方が上手く、物語に深みを感じました。

これからまひろは、道長との恋愛を糧にして、作品を書いていくことになるのでしょうか。

まひろと道長の恋の行方を序盤の見どころとし、それを「源氏物語」の原点にしていくところが上手いなあと思いました。

こうなれば、どうやって「源氏物語」が生まれるか見届けるしかありませんね!

史実がどうであれ、ストーリーの展開が良くて「次も次も」となるような面白さなので、ハマってしまえば抜け出せなくなります…。

麗しき平安文化

和歌は現代人にこそ刺さる

平安時代といえば、雅で風流な文化が貴族たちの間で栄えていましたね。

平安貴族を代表する文化の中に、

”和歌”というものがあります。

和歌とは、五七五七七で自分の思いを歌にするものです。

平安時代の男女は、相手への思いを和歌にし、文のやり取りを交わすことで仲を深めていました。

いわゆるラブレターですね。

当時の貴族たちは、現代とは違い、気軽に想い人と会うことができませんでした。

和歌から相手の思いを感じつつ、文字の美しさに見惚れたり、手紙に焚きしめられた香を感じ取ったりしていたのです。

平安時代の男女はこのように、間接的に相手を感じながら、思いを深めていたのでしょう。

直接会うよりも、むしろ色っぽく感じられませんか?

「光る君へ」でもたくさんの和歌が登場しています。

直秀を失った後、道長はまひろへ思いを伝えるため、次々に和歌を送りました。そのうちのひとつを、ご紹介します。

死ぬる命 生きもやすると こころみに 玉の緒ばかり 逢はむと言はなむ

あなたを恋して今にも死に絶えようとする私の命が、生き延びることもあるかどうか、ためしにでもいいから、玉の緒ほどのちょっとの間、逢おうと言ってもらいたい。(古今和歌集568番、藤原興風 新潮日本古典集成より)

https://artexhibition.jp/topics/news/20240310-AEJ1911185/

なかなかに激しい恋の歌ですよね。

「あなたに逢えるのなら命さえ惜しくない」なんて、あまりにも情熱的でキュンキュンしませんか?

この和歌を文で伝えるという文化、

会いたい人と気軽に会える現代人にこそ刺さるのではないかと思う、今日この頃です。

書も物語を支えている

また、平安貴族のたしなみとして特に重要だった書道。

ドラマでも、登場人物が筆を取るシーンがたくさんでてきますが、

なんと、役者さん直筆の書が登場することも。

「光る君へ」の題字を担当し、役者さんの書道指導も行っている根本知さんによると、

道長の文字は、演じる柄本佑さんの直筆が使われているそうなんです。

道長の直筆は現存するのですが、柄本さんの書く文字が良く似ているらしく、そのまま使われているのだそう。

また、まひろ役の吉高由里子さんは左利きなのですが、当時筆は右手で持つこととされていたため、演じるにあたって右手で書く訓練をしたそうです。

利き手を変えるなんて、すごい努力ですね。

さらに、根本さんはキャラクターの個性に合わせた文字を提案し、指導しているとのこと。

設定が細かい!

文字は書き手の人となりすらも表すと言いますから、細かく演出することで、ひとつひとつのシーンがより面白くなっているように感じます。

平安時代だからこそ、”書”がドラマに彩りを与えているんですね。

文字を書くシーンは見どころのひとつだと思います。

三跡の一人である藤原行成の書は、特に上品で美しいので注目してみてください。

ストーリーを楽しみながら、登場人物それぞれの文字にも意識を向けてみてくださいね。

個性あふれる貴族たち。良くも悪くも人間らしい!

迫力満点!権力闘争。

平安中期は戦が無い平和な時代です。

そんな時代をドラマにしても迫力に欠ける?

大河ドラマには戦が必要不可欠?

そんなことはありません!

「光る君へ」では貴族たちの権力争いが繰り広げられます。

それぞれの思惑が渦巻く、迫力満点な争いが描かれているのです。

そして、貴族ひとりひとりに個性があって魅力的。見ていて飽きません。

兼家は腹黒いが有能な政治家

道長の父兼家は、実権を握るためなら手段を選ばない政治家。

兼家は、孫の懐仁親王を天皇にしたいため、息子の道兼を花山天皇のもとに仕向けます。

道兼は、女御を亡くしてから悲嘆に暮れる花山天皇に出家を促し、夜中にこっそりとお寺に連れ出すのです。

一夜のうちに、天皇を出家させ退位させるという大胆な作戦。

作戦が成功し、兼家が高笑いするシーンは貴族の腹黒さを表していて、圧巻でした。

兼家腹黒い、やな感じと思ってしまいますが、兼家には、何をおいても家の存続が大事だという思想があるのです。

そうした考えをもって、実際に最高権力を手にしているのですから、政治家として優れた才能がある人物ですよね。

ちなみに、この寛和の変で出家させられた花山院も、なかなかクセが強くてお気に入りのキャラです。

傲慢だけど愛妻家な道隆

兼家の死後、関白の座を継承したのは長男の道隆。

この道隆、初めは長男らしく優しくて穏やかな人物だったのですが、関白になるなり変貌してしまいます。

反対意見を押しのけて、自分の娘定子を無理やり中宮にしたり、疫病が流行っても「卑しい者だけがかかる病」と言い放ったりと、傲慢なお貴族様になってしまいました。

やがて病に倒れると、息子の伊周を関白にするため、帝の御簾にまで入り込んで懇願します。

定子には「早く御子を産め」と、現代だったら非難殺到発言を連発。

道隆は、自分が世を去れば残された家族は後ろ盾を失ってしまうため、息子たちの地位を盤石にしたかったのです。

道隆も、兼家と同じように家の存続を願っていたのですが、兼家ほどの手腕で地位を確立させられませんでした。

家族を思うがゆえに、自らの死期を悟って異様な言動をするようになったのでしょうか。

そんな道隆は、愛妻家という素顔も持ち合わせていました。

妻の貴子に膝枕をしてもらいながらお酒を飲むシーンは、夫婦仲の良さが表れていましたね。

亡くなる間際に、貴子の詠んだ和歌で百人一首にも選出されている、「忘れじの〜」を口ずさむシーンはとても感動しました。

貴子も一緒になって口ずさんでいて、このふたりの愛と絆を感じました。

ドラマで描かれる道隆は、嫌な貴族のようですが、とても人間味があり魅力的な人物だと思います。

このドラマは、人物の魅力の引き出し方が上手いです。人間というものを、色々な側面からしっかり描いているからです。

だから、悪役のような描かれ方でも嫌いになれないんですよね。

まとめ

平安時代を描く「光る君へ」の魅力について語ってきましたが、いかがでしたか?

魅力をまとめてみました。

  • 目が離せない!ラブストーリー。
  • 平安文化の良さを知り、味わえる。
  • 戦が無くても、個性豊かな貴族の権力闘争は見ごたえアリ。むしろそれが新しくて良い!
  • 人の内面について深く切り込んだ物語。

「光る君へ」のストーリーの柱として、「今も昔も変わらない人の思い」というものがあると思います。

まひろが出会ってきた人たちや経験してきたことが、「源氏物語」に生かされていくのだろうと思うと楽しみです。

今後の展開をワクワクしながら見ていこうと思います。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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