ドラマ「若草物語」を見て感じた若い女性の生きづらさ。

生きづらさ
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2024年秋ドラマ「若草物語―恋する姉妹と恋せぬ私―」。実は、今期の中で最も注目して見ているドラマだ。女性として共感できる内容が多くあり、自身が思春期を迎えたあたりから抱えていたモヤモヤがまさにドラマとして体現されている…!と一人感動している。今回の記事では、ドラマを見て感じたことや、ドラマの内容を踏まえて考えた女性の生き方についての持論を展開していこうと思う。

ドラマ「若草物語」を見て感じたこと

若い女性のリアル

今を生きる若い女性が抱える”生きづらさ”を、ドラマは上手く描いているように感じる。描写もリアルで、あー分かる!となるものが多い。例えば物語冒頭、学生だった頃の主人公が電車の広告を見て悪態をつくシーン。私自身も今まで街を歩いているときやネットを見ているときなんかに、女性向けの美容広告を見てあんな風に押しつけがましく感じたことが何度もあった。普段から感じていたことを代弁してくれたようなあのシーンは、非常に心に残っている。

四姉妹の長女の仕事の描写も気になるポイントだ。大学を出ていない長女が、生活できるギリギリの賃金で働かざるをえないところなんかはリアルだと思う。公務員ではないが私自身も非正規雇用の最低賃金ギリギリで働いていた経験があるため、とても身近に感じてしまった。

ドラマを見て公務員にも非正規雇用があるということを知り気になったので調べてみたのだが、どうやら非正規公務員の悩みや情報を発信している団体があるらしく…。非正規公務員VOICESという団体で、この「若草物語」にも情報協力をしていたようだ。生の声がドラマには反映されているのかもしれない。

おじさん構文はリアル

また、長女の上司が送ってくるメールについても注目した。いわゆる「おじさん・おばさん構文」というやつなのだが、これ、見覚えがある若者もいるのではないだろうか。

実はついこの前、私と同世代の男性から相談を受けたことがあった。内容は、同じ職場の年配の女性から毎日のように長文メールが送られてくる、ということ。メールの内容は、まさしくドラマで長女が受け取っていたものと同じような文体であった。私自身もこのような経験が一度あり、男女限らず同じような悩みがあるのだなと驚いたものだ。ドラマを視聴した時には、デジャヴかと思うくらいメールの文体はそっくりそのままでこれまた驚いていた。

ドラマには、時代を映す鏡としての役割があると思っている。今を生きる人たちが抱える苦難や願いを映し出した物語は、人々の興味を引く。そうすることで世の中の問題が浮かび上がり、人々の意識は少しづつ変わっていくことだろう。今を生きる女性の生き方に切り込んだこのドラマは、今という時代を象徴しているようだ。

”女性の生き方が”テーマ

女性に対する意識は、ここ数年で随分と変わってきたように感じる。男は外に出て働き女は家を守る、という考え方は廃れつつあるだろう。このドラマも若い女性である主人公を通して、女性の生き方について新しい価値観を示そうとしている気がする。

女性の生き方について考えるときには必ず、恋愛や結婚についての問題にぶつかるだろう。主人公は、恋愛や結婚が人生の全てではないと思っている人物。「私は絶対に結婚しない」と決意を固めている。脚本家になって自分の稼ぎで家族を養いたい、という”人生における目標”が彼女の中では大きく占めているのだ。誰かに頼ることなく自分の力で生活をしていく、という自立した女性の生き方をしようとしているのだろう。

主人公に共感

私も、この主人公と似たようなことを常日頃から考えていた。だから、主人公の生き方には深く共感することができた。

私は、主人公のように「恋愛や結婚は絶対にしない」という強い意志を持っているわけではない。恋愛をすることで得られる喜びは必ずあるが、誰かに好きになってもらえても自分をしっかりと持っていたい、そんな考えも持っている。相手にはありのままの自分を見て欲しいし、好きなことや目標を持ちながら生きる自分を好きになってもらいたいと考えている。

それに、いくら好き同士でもずっと同じ気持ちでいられるとは限らない。自分らしさを大切にし、相手ありきではない生き方を目指すことは大事なことだと思う。

私の”恋愛・結婚観”

私自身は、恋愛は心や人生を豊かにするものだと考えている。一緒にいると自然体でいられて、心から信頼できる…そんな恋人がいれば、自分自身も成長できるはずだ。

恋愛に対して肯定的であるにもかかわらずこの主人公に共感を覚えるのは、私自身が精神的にも経済的にも男性に頼り過ぎたくないという考えを持っているからだ。たとえ結婚したとしても、仕事は続けていたい。一人でも生きていけるぐらいの経済力を持ちたいというのもあるが、自分の能力を社会で試し続けたいという強い気持ちがある。現在も仕事に対する目標があり、自分の人生における仕事の割合が大きいように感じている。

私は、将来の夢がありその稼ぎで家族を養いたいという主人公の生き方はかっこいいと思う。少なくとも、恋愛や結婚にとらわれて男性ありきの人生を送るよりかはずっといい。夫の稼ぎや地位を自慢するくらいなら、自分で何かを成し遂げて誇りに思いたい。それに、自分の好きな分野を見つけて夢中になれることはとても幸せなことだと思う。自分で成功をつかみ取ったときには、何物にも代えがたい喜びがあるはずだ。

女性は、一人でも充実した人生を送ることができると思う。恋人に限らず、様々な人との出会いで人は豊かな経験を育むことができる。それに人生における楽しみは、仕事で感じる達成感や趣味をするときの心満たされる時間など他にもたくさんある。

人と違う生き方でもめげない主人公

ドラマでは、主人公のような「恋愛や結婚が全てではない」という考えが少数派であるということを言われていた。現実でもそうなのかもしれない。身の周りの人の意見を聞くようなときなんかには、自分の意見は万人受けではないと思うことがある。

女性向け美容広告が街やネット上で蔓延し、SNS上が「垢抜ける方法~」や「モテたいならやるべきこと~」といった情報であふれている様子を見ていると、大半の女性が「人生には恋愛や結婚が必須だ」と考えているように感じられる。

様々な価値観が認められるようになってきた現代でも、独身を貫いている女性に対する偏見を持つ人は一定数いるのではないだろうか。どうして結婚しないのだろうと疑問に思ったり、一人でいることを憐れんだりする人は未だにいるような気がする。

人と違う考え方を持っていると悩み苦しむことも多い。ドラマの主人公も世の中の流れに逆らう生き方をしているが、常に明るく前向きだ。私には、自分の意見が少数派であることを悲観的に考えてしまうところがあったが、主人公のポジティブな姿勢を見て驚嘆しこうありたいと思うようになった。

ドラマ「若草物語」は悩んでいる女性を励ましてくれる

女性の生き方についての悩みがテーマとなっているドラマ「若草物語」。女性の貧困や生きづらさのリアルが描かれている。

女性の自立した生き方や社会進出が注目されているが、まだまだ「恋愛や結婚をしてこそ幸せ」といった声は多く聞こえてくる。私は、恋愛や結婚をしなくても幸せに生きていけると思う。家族や友達と充実した時間を過ごしたり、仕事や趣味などでも楽しみを得られたりすることができるからだ。

ドラマの主人公も、「恋愛や結婚が全てではない」という大多数とは違う価値観を持っている。そのことで壁にぶち当たることもあるが、どんな時も明るくパワフルに乗り越えていく姿は、世の中でくすぶっている女性たちを励ましているに違いない。このドラマは、一定数の女性にはしっかりと響くような内容だろう。また、女性の生き方に関する新しい価値観を世に示してくれるような作品だといえる。

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