ドラマ「無能の鷹」が面白い。今の世こそ頑張りすぎない姿勢を。

感想系
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2024年秋ドラマの「無能の鷹」にハマってます!このドラマを初めて見たときはとても衝撃的でした。社会で求められる人物像とは全く真逆のことをしている会社員が主人公で、そのキャラがあまりにも吹っ切れていたからです。一歩間違えば世の働く人たちを敵に回しそうな内容でありながら、なぜか主人公から目が離せずワクワクとした気持ちで見てしまう…不思議な魅力を持ったドラマ。私はこのドラマ、今の世の中に対し良い意味で喧嘩を売っているように感じています。

「無能の鷹」を見て感じたこと

仕事ができない主人公

この主人公のような人が実際に会社にいれば、それはもう大変なことになるでしょう。きっと一緒に働きたいという人は、現実にはほとんどいないはずです。主人公のようにいわゆる「仕事ができない人」というのは、会社でも社会でも嫌われのけ者にされているのが現実です。

大体の人が、仕事ができない人のことを迷惑だと感じていると思います。仕事ができない人と一緒に働くことは、自分にとって悪影響を被ることになるからです。自分の方が業務の負担が大きくなったり、業務がなかなか進まなかったりといったことが起こるでしょうから、そう思うのも仕方ありません。

実力主義な今の社会

また、今は実力主義競争社会と言われていますから、能力がない人にとって非常に風当たりの強い社会と言えるでしょう。

反対に、仕事ができる人にとってはとても有利な社会です。能力さえ認められればどこまでも上を目指せますが、それには人一倍努力をしなければなりません。

今の世には、努力し苦労して成功した人こそが正義だというような空気があります。私は、それは確かに正しいことだと思いますが、同時に息苦しさのようなものも感じてしまいます。努力をしても必ず報われるわけではありません。もし能力があったとしても認められないことだってあります。

また、周りと競い合うことに疲れてしまう人もいるでしょう。ゆったり生きていきたいと思い、そもそも上を目指さない選択をする人もいます。このような人たちは、努力が足りず地位も低いと見下されることもあるでしょう。実力主義な社会は、努力と苦労こそが美徳だという風潮も生み出していると感じます。

そして、実力主義な社会はできる人とできない人との間に深い溝を生みます。経済的にも精神的にも大きな格差を生んでいるように感じます。

「無能の鷹」は今の社会に足りないものを伝えてくれる

「無能の鷹」は、このような社会に対する挑戦状のような物語だと感じています。仕事に対して気張らず頑張りすぎない姿勢でいる主人公。さらに、仕事ができないことをいくら責められてもあっけらかんとした態度でいる。気取らずありのままの自分で生きている人物として描かれています。今の社会に窮屈さを感じている人の中には、彼女のような自由な生き方に励まされる人もいるのではないでしょうか。

現実ではあのように周りに理解してもらえることはないかもしれませんが、個人的には、主人公の無能さがぶっ飛び過ぎててもはや嫌味を感じません。むしろ見終わった後はなぜかスッキリとした気持ちにさせてくれるこのドラマ。今の社会に足りない「大らかさ」みたいなものを、ドラマは伝えてくれているのかもしれません。「頑張りすぎない」ことは実力主義な今の世の中にこそ必要なものなのかもしれない、と思わされます。

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